【イラスト書評】『破門』黒川博行
超要約
悪そうな奴は大体友達(不本意)
「嫌だ嫌だ」「もうこれまで」と思っているのに、周りへの義理やらトラブルで、桑原の危険な行動に付き合わされる二宮。必然、彼の周りはいかにもな連中ばかり。
もはや桑原には「一蓮托生」と思われている。切っても切れない腐れ縁の関係。
四方八方からいろんなことを言われ常に板ばさみ状態。しかし当座の金が欲しいがために、つい桑原の誘いに乗ってしまったりする彼にも非はある。
すべての始まりは映画への出資話だった
映画製作の話自体は悪くないかに思えた。しかしある日、プロデューサーの小清水が出資金を持って失踪してしまう。
見え隠れする組織ぐるみの密謀。やがて事態は組と組を巻き込んだ騒動へと発展し、桑原も窮地に追いこまれてしまう。第151回直木賞(2014)受賞。
二転三転のイベントで楽しませる
テンポの良い二宮と桑原の掛け合いに乗って、どんどんストーリーが進む。詐欺師・小清水の追走劇が中心なのだが、まーこのクソジジイがズル賢く気が許せなくて何度もヤキモキさせられる。舞台も登場人物もストーリーの起伏も盛り沢山。